2013 年 1 月 のアーカイブ
手の痛み
腱鞘炎
腱鞘炎とは、
腱鞘とは、筋肉の端の部分を腱と言うのですが、その腱が通るトンネルがありまして、そのトンネルを腱鞘と呼びます。関節を動かす時に、この腱と腱鞘がこすれるのですが、使い過ぎると摩擦で炎症を起こしてしまったものを、腱鞘炎と言います。
厳密にいうと、手だけの疾病ではないのです(腱や腱鞘は手以外のところにもあります)が、使い過ぎるという点で、手に起こることが非常に多いのです。
症状は、
指を使う時(物を握る、つまむ、タオルをしぼるなどの動作)だけでなく、ジッとしていての痛み、押されての痛み、熱っぽさ、場合によっては赤みがたり腫れもでます。
また、弾発指(ばね指)とよばれる、指の運動時に引っ掛かりスムーズに動かない症状も特徴の一つです。
治療は、 『指の曲げ伸ばしに関する筋肉の柔軟性及び筋力の向上』 です。
基本的に、使い過ぎ により起こる症状なので、
疲労が溜らないように 回復力を高める
負荷に耐えられる筋力をつける
ことが大事になります。
スポーツ外傷
ジャンパー膝
ジャンパー膝とは、
ジャンパー膝とは名前が示すごとく、バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作、ダッシュなどの走る動作が多いスポーツで起こりやすい、オーバーユースに起因する膝のスポーツ障害です。
膝を伸ばすときは大腿も前の筋肉が収縮して脛骨を引っ張るようになっています。このため、ジャンプなど膝を伸ばす動作を行うとお皿の下の靭帯(膝蓋靭帯)にストレスがかかります。また、着地においても膝が曲がろうとする勢いに対してブレーキをかけるため、着地の際もお皿のした
にストレスがかかります。ジャンプ、着地を繰り返すうちにお皿とお皿の下の靭帯付着部分に炎症が発生し、運動時に痛みを感じるようになるのです。
治療は、 『大腿の前の筋肉の柔軟性の向上、大腿部の筋肉バランス』 が大事になります。
大腿の前(大腿四頭筋)が短縮すると、膝蓋靭帯へのストレスが増加してしまうので、柔軟性を保つこと、
また、主に大腿の後(大腿二頭筋)とのバランスが悪くなっても、大腿四頭筋が短縮しやすくなるので、
前後のバランスを整えることも必要な場合があります。
交通事故
ムチ打ち
ムチ打ちとは、
頚部やその周辺の打ち身・捻挫・骨折・頭部外傷などの通称名で、正式な傷病名ではありません。
傷病名としては、「外傷性頚部症候群」「頚部捻挫」としてつけられる事が多いです。
頚、背中、肩に痛みやハリ感、耳鳴り・頭痛・めまい・吐き気・食欲不振などの不定愁訴、様々な症状がでることがあります。
また、事故にあった当日よりも、次の日以降から症状が出現する場合が多いと言われています。
治療は、
筋肉や靭帯の損傷がある急性期には、安静第一になります。
急性期が過ぎてから、血行を良くすることと、関節の可動域の回復を目的とした治療をしていきます。
背中の痛み
猫背
猫背とは、
背中が丸まった姿勢自体を指していたり、背骨が丸まったまま、元に戻りににくい状態をいいます。
症状は、背中の痛み、はり・こり。頚や肩の痛みやこりも併発する場合が多いです。
治療は、 『背中やお腹の筋肉の柔軟性および筋力の向上』 がメインとなります。
身体を支える時は、背筋と腹筋両方で支えるのが理想ですが、
猫背の姿勢は、腹筋を全く使っていない状態です。
腹筋の柔軟性が低下していて、使えない状態であれば、ストレッチにより柔軟性の回復をまずしなければいけません。
伸ばせるが、すぐ疲れてしまうので長時間使えないのであれば、トレーニングにより、筋持久力の向上が必要となります。
腹筋を使い、背筋の負担を減らしても、症状が出るようであれば、
背筋自体の筋持久力の向上が必要となってきます。
頚の痛み
頸椎症
頸椎の椎体骨(ついたいこつ)の骨棘(こっきょく)(とげ状の突起)形成、椎間板(ついかんばん)(椎体と椎体の間にあってクッションの役割をしている)の後方突出、靭帯(じんたい)の石灰化、骨化などによって、脊髄(せきずい)から出て肩や腕に行く神経(神経根)または脊髄自身が圧迫・刺激を受ける疾患です。
症状は、圧迫・刺激されている場所によて変わってきますが、
頚の痛みやコリ、手の痛みやしびれなどがあります。
治療は、 『頸椎を支える筋肉の状態を良くする』 ことが大事になってきます。
頚の骨が変形するぐらいですから、当然周りの筋肉も状態が悪くなっています。
そして、筋肉による支える力が弱いから、頸椎の変形が進んでしまうのです。
ですから、筋肉の状態を良くして、頸椎への負担を減らすことが大事になります。
肘の痛み
外側上顆炎
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。
肘の骨に、外側上顆という場所があります。そこには、前腕の伸筋群(手や指を伸ばす筋肉)が多くついているのですが、これらの筋肉が繰り返し伸び縮をすることにより、外側上顆にストレスが加わり炎症が起こると考えられています。

①長橈側手根伸筋:手首(手関節)を伸ばす働きをします。
②短橈側手根伸筋:同様に手首を伸ばす働きをします。
③総指伸筋:指を伸ばす働きをします。
治療は、 『前腕の筋肉の柔軟性の向上とバランスの調整』 が、重要です。
前腕の伸筋群が、固く柔軟性が悪いと、伸び縮みの際に、外側上顆へのストレスが増えてしまうので、
伸筋群の柔軟性の回復や向上が、第一です。
また、一般的に、手や指を曲げる力(前腕屈筋群)のほうが、伸ばす力よりも強いです。
ですから、前腕の屈筋群が固く縮んでいると、それだけでも伸筋群は引っ張られてしまいます。
それにより外側上顆へのストレスも増えてしまうので、伸筋群だけでなく、屈筋群とのバランスも大事な要素となってきます。
足の痛み
足関節捻挫
足関節(足首)捻挫のほとんどは、 足関節を内側に捻る ことによって起こります。
足関節外側の靭帯(前距腓靱帯)の損傷が多く、ひどいものになると、踵腓靭帯、後距腓靱帯や脛腓靭帯も損傷します。
症状は、
外くるぶし(外果)の前や下の痛み、腫れ、熱 を持ちます。
痛みは、
押すと痛い(圧痛)、動かすと痛い(運動時痛)、体重をかけると痛い(荷重時痛)など、
程度がひどくなると、多くの痛みが伴います。
治療は、
けがをしてからおおよそ48時間から72時間は、炎症期と言われ、 安静と患部を冷やすこと が大事です。
炎症期が、過ぎた後は血行を良くする為に温めるのもOKです。
安静にしすぎていると、関節が固くなってしまうので、時期をみて関節の運動療法を開始していきます。
肩の痛み
四十肩・五十肩
四十肩・五十肩とは、
発症年齢の違いで呼び方が変わります。
そもそも五十肩とは40歳~50歳に突然原因不明で発症する、痛みと運動制限を伴った症候群の総称です。肩関節周囲炎などの病名とは違う便宜的に使う呼び方です。
治療は、
急性期は『安静が第一。血行を良くして炎症が治まるのを待つ』ことが優先になります。
ただし、長時間の入浴や、患部を直接温めると、熱を持ちすぎるので、注意が必要です。
炎症が治まり急性期が過ぎたら、
『肩関節の周囲の筋肉の機能回復、関節の可動域の回復の為の運動療法』がメインとなります。
肩の関節は、構造上かなり不安定で、筋肉や靭帯で安定感を出しているので、
筋肉の状態を良くしておくことが重要になってきます。
また、いわゆる肩だけでなく、肩甲骨の動きも重要なので、そちらも併せての治療となります。
膝の痛み
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、
膝の関節を作っている太ももの骨(大腿骨)、すねの骨(脛骨)、いわゆるお皿の骨(膝蓋骨)の骨や軟骨が、
変形したり、すり減って生じる傷病です。
症状は、膝の周囲の痛み、可動域の減少・制限が主な症状です。
急性期には、寝ていても痛んだり(夜間痛)やじっとしていても痛んだり(自発痛)、いわゆる『水がたまる(水腫)』の原因にもなります。
治療は、 『膝を支える筋肉の柔軟性と筋力の向上』 となります。
お尻や太ももの筋肉が固くなる(身体を支える重要な筋肉なので、負担が大きいのです)
↓
膝を支える力が弱くなり、不安定になる
↓
膝の関節の骨への負担が増える
↓
関節や筋肉に炎症が起こり、強い痛みや水がたまる
↓
関節の軟骨がすり減る、安定感を出すために関節が変形してくる
膝は太ももやお尻の筋肉に支えられているので、
筋肉が弱くなってしまうと、膝への負担が大きくなります。
筋力をしっかりさせて、膝への負担を減らしてあげることが大事なのです。
腰の痛み
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、
背骨の腰の骨と骨の間の椎間板というクッションが、つぶれてはみでてしまう疾病です。
おまんじゅうの皮が骨、中身のあんこが椎間板だとすると、おまんじゅうがつぶれると中の餡子がはみだしてくる、そんなイメージですね。
そのはみでた椎間板が、神経を刺激したり圧迫してしまうことにより、
腰の痛み、臀部(お尻)・脚のシビレや麻痺、痛みなどを引き起こすことがあります。
治療は、 『腰周りの筋肉の柔軟性および筋力の向上』 が大事になります。
基本的に、椎間板がつぶれてしまうぐらい負荷がかかっているのならば、周囲の筋肉にも相当負荷がかかっています。
筋肉は、一定以上の負荷がかかれば、疲労して固くなります。
↓
固くなると、血流が悪くなり固まったままになります。
↓
固くなった筋肉は筋力低下を起こします。
↓
腰椎を支えられなくなり、ヘルニアがひどくなる。
ですから、 筋肉をほぐして、血流を良くする 必要があるのです。
腰椎は筋肉に支えられているので、
筋肉が弱くなってしまうと、腰椎への負担が大きくなりますので、
筋力をしっかりさせて、腰椎への負担を減らしてあげることが大事なのです。